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同業他社における役員報酬水準の調べ方

同業種・同規模企業の平均役員報酬額を調べる方法は、本サイト上の「役員報酬相場・平均データの特徴とポイント」(https://yakuin-hoshu.com/data/market-price/)で紹介しました。

では、個別の同業他社について、役員報酬水準を調査するには、どのようにすればよいのでしょうか?
非上場企業の場合は難しいですが、上場企業であれば、やはり有価証券報告書で調べることになります。同業かつ同規模の上場企業を複数社ピックアップし、有価証券報告書から役員報酬額などの実績を中心に整理していくのです。

たとえば、自社が自動車部品メーカーで年商2,000億円程度の会社だったとします。すると、同業・同規模企業として、10社以上の上場企業は挙げられるでしょう。その中から、エクセディ、トピー工業、ジーテクトの3社を抜き出したとすると、各社の有価証券報告書から以下のような表が作成できます。

自動車部品メーカーの想定役員報酬水準例

同業他社
3社平均
エクセディ トピー工業 ジーテクト
決算年度 2021年3月 2021年3月 2021年3月
連結売上高・売上収益 220,654百万円 227,420百万円 225,121百万円 209,420百万円
連結経常利益 5,715百万円 9,066百万円 -575百万円 8,653百万円
連結従業員数 8,889人 12,342人 6,153人 8,172人
単独従業員数 1,915人 2,722人 1,854人 1,169人
単独従業員平均年収 569万円 503万円 594万円 611万円
社内取締役 役位
想定年間報酬水準
モデル
報酬水準
人数 想定報酬 人数 想定報酬 人数 想定報酬 人数 想定報酬
5.3名 20,067万円 7名 22,200万円 5名 17,600万円 4名 20,400万円
社内平均 3,763万円 社内平均 3,171万円 社内平均 3,520万円 社内平均 5,100万円
社員比 6.61 社員比 6.31 社員比 5.93 社員比 8.35
会長 2.88
社長 2.35 6,005万円 1名 5,170万円 1名 5,062万円 1名 7,782万円
副社長 1.78 1名 3,835万円
専務 1.58 4,037万円 3名 3,476万円 1名 3,404万円 1名 5,232万円
常務 1.23 3,362万円 2名 2,650万円 1名 4,073万円
取締役 1.00 2,756万円 3名 2,200万円 1名 3,312万円
  • ※各社とも、2021年3月期の有価証券報告書より弊社作成。従業員数には、臨時雇用者などは含まず。
  • ※エクセディ:税引前利益を経常利益欄に計上。取締役上級執行役員は取締役としてカウント。
  • ※ジーテクト:取締役専務執行役員を専務に、取締役常務執行役員を常務にカウント。

まず、「主要な経営指標等の推移」から、売上高や経常利益といった業績を抜き出します。ここでは、連結決算の値としました。ただし、従業員の平均年収については、通常提出会社(単独)での値となっています。

さて、役員報酬水準ですが、この表では、社内取締役について、基本報酬(固定報酬)に賞与や株式報酬も加えた年収総額を記載しています。自社で作成される場合には、「固定報酬のみ」「役員報酬総額」の2区分で表示してもいいでしょう。

ここで注意が必要なのは、役員の人数です。有価証券報告書では、役員区分(社内取締役、社外取締役、社外監査役など)ごとの報酬総額と員数が記載されています。しかし、この員数には、期中で退任した取締役なども加算されているのが通常です。すると、1人当たり報酬額などにズレが生じてしまいます。そのため、役員一覧に記載されている役員数と比較し、差異があるようなら、前期の報告書や期中の人事情報などで補正を加えるのです。

ここまでで、社内取締役1人当たり年間報酬額や、その金額が従業員年収の何倍となっているか、といった数値が算出できます。

最後に、取締役(役付きなし)の報酬水準を1.0とした場合の、役位別のモデル報酬水準(係数)を使って、役位ごとの想定報酬水準を示しています。この役員別モデル報酬水準は、人事院が発表している役員報酬調査から弊社で作成したものです。このモデルに当てはめ、各社の役位別報酬水準を試算しています。もちろん、あくまで想定値ではありますが、役位を軸に報酬水準を決定している会社も少なくないことから、十分参考値にはなると思われます。

このように、同業・同規模の上場企業のデータを整理し、自社と比較することで、報酬水準を見直す際の有効な資料となるでしょう。今回は、社内取締役のみを例示しましたが、社外取締役や社外監査役などの報酬水準チェックも可能となります。

同規模企業だけでなく、将来の目標としている企業でもいいと思いますので、是非とも一度トライしてみてください。

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