経済産業省は、社外取締役の質の向上に向けて、社外取締役向けの研修やトレーニングの活用の後押しを図るため、「社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント」及び「社外取締役向けケーススタディ集」を作成しました。
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230630011/20230630011.html
概要
(1)社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント
主に社外取締役やその候補者と、上場企業の関係者を対象に、社外取締役向けの研修等の活用についての理解を広げることを目的として作成したものです。
社外取締役やその候補者が研修等を活用する際や、企業が社外取締役向けの研修等の活用方法や支援体制を検討する際に参照されることを想定しています。
(2)社外取締役向けケーススタディ集
社外取締役やその候補者向けの研修コンテンツの充実を図ることを目的として作成したものです。
社外取締役が取締役会や各種委員会で直面するであろう場面と課題を提示し、社外取締役として求められる行動や留意すべき点等について、「ケース設例」、「解説・回答例」、「補足情報」に分けて記載しています。
なお、ケーススタディを題材とする研修等での活用だけではなく、実際に取締役会や各種委員会で課題に直面したときに社外取締役としてどう振る舞うかを考える際に参照されることも想定しています。
<ポイント解説>
全上場企業のうち、2名以上の独立社外取締役を選任している割合は、85%を超えてきました。更に、東証プライム上場企業においては、取締役のうち3分の1以上を独立社外取締役としている会社が、9割を超えています。
社外取締役について、「量」的には充足されてきましたので、これからは「質」の充実による、企業価値向上への貢献が期待されます。今回のツール提供は、基礎的な「質」の充実に向けた取り組みの一環と言えるでしょう。
「社外取締役向けケーススタディ集」では、社外取締役として、「経営の方針への関与」「指名・報酬決定プロセスへの関与」「個別の業務執行の意思決定への関与」といったテーマごとに、いくつかのケーススタディ形式で、対応に必要な観点やスタンスを紹介しています。少なくとも、「このような議題が、いつ自身の前に出てくるかもしれない」という心構えを持つには、十分役立つのではないでしょうか。
社外取締役だけでなく、社内取締役や取締役会事務局の方々も、一度目を通されることをお勧めします。